筋肉には、持久的能力に優れた「遅筋線維(遅筋)」と、瞬発的能力に優れた「速筋線維(速筋)」があります。ジョギングのようにゆっくり走る場合は遅筋が、短距離走のように速いスピードで走る場合は速筋が使われます。つまり、走るスピードによってどちらのタイプの筋肉を使うかが決まり、その筋肉が鍛えられるのです。この筋肉は、使わなければ徐々に衰えていきます。 では、ゆっくり走ってばかりいると、スピードがなくなってしまうのでしょうか。
ゆっくり走る場合のトレーニング効果としては、まず体重が減り、身体が軽くなります。さらに、足首、ひざなどにかかる負担が少ないため、ケガをすることなくトレーニングを続けられます。
スピードトレーニングの効果は、急激なスピード変化に対応する能力や、ラストのスピードアップの能力をみがくことができるという点にあります。速筋は、遅筋の2倍速い伸縮動作が可能といわれており、瞬時に大きな力を発揮するのが特徴です。
このように、遅筋、速筋ともにランニングに大切な働きをします。両方の特性を知り、トレーニングに生かしていきましょう。
ゆっくり走りながらスピードを維持していくためには、ゆっくり走った後のトレーニングとして、最後に数本ダッシュを入れてみてください(全力で 30~50m走ることを2、3回行う)。遅筋と速筋の両方を刺激することで、持久力の強化と絶対的なスピードアップができるでしょう。