記録を伸ばすためには、酸素を大量に体内に取り入れ、それを筋肉まで運ぶための心肺機能、あるいは筋力や持久力といった能力を向上させる必要があります。そのためにランナーはトレーニングを積むのです。走ることによって、ランナーの身体はより長く、より速く走るための能力を身につけていくのです。
しかし、走れば走るほど記録も伸びるかというと、必ずしもそうとは言えません。確かに、あるところまではトレーニング量に比例して記録も伸びます。が、それがどこまでも続くわけではないのです。必ずどこかで記録が伸び悩み、壁にぶつかります。限界に達した後は、いくらトレーニング量を増やしても記録は伸びません。反対に、無理をすればオーバートレーニングとなり、記録は低下してしまいます。
エリートランナーの場合、トレーニング量はすでに限界に達しているため、さらに量を増やしても記録が伸びる可能性はあまりありません(トレーニングの質が問われるわけです)。しかし、市民ランナーの場合、限界までトレーニングしている人はほとんどいないでしょう。そのため一般的には、走る距離が多いほど記録も伸びるのです。