血圧が高い人、血圧が低い人、ランナーにもいろいろなタイプの人がいます。運動をすると、血圧はどう変化するのでしょう。一般的に、運動をすることによって血圧は上昇します。これは、運動中の筋肉の血液量を維持するために心拍量が増えるためです。
しかし、近年の研究では「ニコニコペース」で走っていると、血圧が下がってくることがわかってきました。このニコニコペースとは、おしゃべりができるほどのゆっくりしたペースでランニングを楽しむという走り方です。ランナーの血圧は、一般成人よりも低いという研究報告もなされています。血圧は、走るスピードがアップするにつれて上昇していくので、高血圧の人は、スピードをあまり上げず(心拍数を抑えて)、走る量を増やしたほうがいいのです(ゆっくりと長い時間走る)。つまり、ニコニコペースでゆっくり長く走るといいことになります。
高血圧の治療法は一般的に、単に血圧を下げるだけではなく、生活の質を落とさない、すなわち生活のリズムをくずさない治療をめざしています。ニコニコペースのランニングは、まさにこの目的にぴったりです。こうして非薬物療法として「ニコニコペース」の治療法が、世界的にも推奨されるまでになったのです。その他に糖尿病、心臓病のひとつの治療法としても主流になっています。
ただし、血圧がかなり高い人(最高170mmHg以上、最低100mmHg以上)はランニングをひかえ、医師の指示に従ったほうがいいでしょう。