近頃話題の「骨粗鬆症」は、骨からカルシウムが抜け出し、骨密度が低い状態になる病気です。それを防ぐためには、カルシウムの摂取量を増やすと共に、摂取したカルシウムを効率よく骨に沈着させることが必要になります。ランニングなどの運動には、骨にカルシウムを沈着させる効果があるため、骨粗鬆症の予防に有効です。
私たちが身体の筋肉を収縮させて力を発揮する時、骨にはわずかながら「たわみ」が生じます。たわむとそこに圧力が加わり、その圧力によって電気が生じるのです。この電気がカルシウムを引き寄せ、骨に沈着させる働きをします。つまり、骨に効率よくカルシウムを沈着させるには、骨にたわみを生じさせるような運動をすればいいことになります。
たとえば、私たちが2本の足で真っすぐ立つだけでも、ある部分の骨にはたわみが生じています。重力という負荷を利用した運動になっているのです。ところが、水の中に浮いてじっとしている時には、重力から解放され、骨にも刺激が加わりません。つまり、骨粗鬆症の予防には、水泳より陸上で行う運動がいいことになります。
特に、ランニングの着地時には、体重の3~4倍の衝撃が足に加わります。この衝撃が骨のたわみを生じさせます。そういう観点から、ランニングは骨粗鬆症の予防に有効な運動だと言えるのです。
ランニングを行うと同時に、カルシウムの豊富な食品を十分に取ることで、若い時から骨粗鬆症を予防していきましょう。特に、女性は男性よりも骨粗鬆症になりやすいので注意しておくことです。