長く走っていると、脳からエンドルフィンというホルモンが分泌されます。このエンドルフィンは、麻薬のような働きをすることが知られており、疲労感などに対しては、それを麻痺させる作用を持っています。
そのため、走り始める前に疲労感があった場合でも、走っているうちに疲労を感じなくなったりするのです。また筋肉痛や関節の痛みも、走っているうちにだんだん軽くなることがあります。これもエンドルフィンの作用です。
しかし、エンドルフィンによって疲労感が軽くなったり、痛みが消えたりするのは、実際に疲労や痛みが解消されたのではなく、それを感じなくなるだけのことなのです。走っているうちに楽になったからといって、さらにがんばって走ってしまうと、走り終わってからいっそうひどい疲労感や痛みに襲われることになります。
ランニングで疲労感がとれる他の理由としては、走ることで乳酸などの疲労物質が取り除かれるためでしょう。激しいトレーニングやレースの後などは、筋肉に疲労がたまっています。そんな時は、じっとしているより、軽いランニングを行って血液循環を良くしたほうが、疲労物質を速やかに取り除くことができるのです。走った後はクーリングダウンで軽く流しておくのも、疲労物質がたまるのを防ぐためです。