参加者が多いマラソン大会では、後方のランナーがスタートラインを踏むのに10分前後かかる場合がありますが、記録はピストルの合図から計測されるため、正味のタイム(ネットタイム)がほしいという声が高まっていました。この問題を解決したのが、チャンピオンチップです。
チャンピオンチップの使い方は、わずか3gのチップ(記録計測用小型発信器)をシューズに装着するという簡単なものです。チップを搭載したシューズがマットの上を通過するだけで、そのタイムがしっかり記録されます。また、コース途中のスプリットタイム(5kmごと)も計測できます。
このシステムは、オランダに本社を置くチャンピオンチップ社が開発、94年のベルリンマラソンで参加者全員のネットタイムを計測し、一躍有名になりました。その後、世界中にあっという間に広がり、日本では(株)アールビーズが総代理店として運営・管理しています。
チップの最大の特徴は、個人購入制度にあり、一度入手すれば世界中の多くの大会で使用できるという国際性がポイントです。ボストン、ロンドン、ロッテルダムなど主要大会はもちろん、アトランタ五輪でも採用されるなど、今やチャンピオンチップはマラソン競技に欠かせないアイテムとなりました。