ビタミンは、エネルギー源となる炭水化物や脂肪などの栄養素のスムーズな代謝を促進します。じつは走るために必要なエネルギー源を大量に摂取しても、肝心の酵素がないとエネルギーには変換されません。ここに欠かせないのが、ビタミンなのです。
ビタミンには、脂溶性(ビタミンA、D、E、K)と水溶性(ビタミンC、B群)があります。脂溶性のビタミンは体内に蓄積されるため、取り過ぎに注意が必要です。逆に、水溶性のものは尿や汗と共に排出されるため、毎日補給しなくてはなりません。
水溶性のビタミンB群は、炭水化物や脂肪、たんぱく質のエネルギー産生や合成、疲労物質である乳酸の分解作用があります。豚肉には牛肉の10倍ものB群が含まれているので、ビーフステーキよりポークソテーの方がよりスタミナアップになります。B群不足は、夏バテに似た症状になるので注意が必要です。
また、走って大量に呼吸することで、ランナーは体内へ大量の酸素を取り込んでいます。この結果、有害な活性酸素(不安定な状態の酸素で、さまざまな病気や老化を引き起こすと言われている)の発生が増加します。そこで、抗酸化ビタミンと呼ばれるβカロチン(ビタミンA)やビタミンC、Eの摂取に心がけ、ほうれん草、ニンジン、ニラ、ゴマ、ナッツ類、シソ、ハーブ類のほか、魚や肉、果物をバランス良く食べるようにしましょう。