真夏の炎天下で行われるレース、ふらふらになって倒れ込んでいるランナーを見かけたことはありませんか? こうした高温・高湿度下のランニングでは、身体の熱を十分に逃がせなくなると体内に熱がこもり、熱中症が起きやすくなります。いざという時のために応急処置を覚えておきましょう。熱中症は次の3つに分類されます。
(1)熱けいれん
大量の汗で体内の塩分が失われた時に、手足や腹筋のけいれんが起きる。塩分と水分を補給すればよい。スポーツドリンクでもいい。
(2)熱疲労
比較的軽度の熱中症。意識障害がなく、汗で皮膚が湿っていて冷たく、手の甲をつまんだ時のしわがすぐ元に戻る状態。こんな場合は、涼しい場所で水分補給すれば自然に回復する。風を当てたり、水をかけたりするのも有効。少し落ち着いてきても、すぐに動かず、しばらく安静にしているように。
(3)熱射病
重度の熱中症で生命に関わることも。意識がなく、皮膚が乾燥し、皮膚をつまんだ時のしわがいつまでも戻らない状態。こんな場合は、点滴による水分補給が必要なので、すぐに病院に運ぶ。応急処置として、氷で頸動脈を冷やしたりする。ふらふらになるということは、相当危険な状態。こういう時は、本人よりも、周囲の人が先に異常に気づくことが多いようです。本人が「大丈夫」と言っていても、おかしいと思える時には、周囲の人がランニングをやめさせることが大切です。