走り始めた人が最初に痛めるのが、ひざ。走り込んだ人に起こりやすいトラブルもひざです。そのほとんどの原因が「筋力不足」にあります。つまり、持っている力以上のものを引き出そうとしたために起こります。
ランニングの着地時の衝撃は、体重の3~5倍にもなります。長距離、あるいはスピード走ではそれだけ身体、筋肉、関節への負担は大きくなります。筋力が弱ければ、数百kgという衝撃が何度も何度も関節(ひざ)にダイレクトに行ってしまうため、故障が起きても不思議ではないのです。
ひざの故障を防ぐには、以下の方法があります。
(1) 筋力を強化する。特に大腿四頭筋(太ももの全面の筋肉)を強化する。
負荷は軽く、回数を多くするのがポイント。さらにハムストリング(太ももの裏側の筋肉)のストレッチングを十分に行う。
(2) 軽くて薄いレース用シューズは避け、クッション性と安定性のよいシューズをはく。舗装路などの固い路面は避け、足に柔らかい土の上を走るようにする。
(3) 体重の重い人は減量する。
(4) 上下動の大きなフォームを改め、着地時の衝撃の少ないなめらかなフォームにする。
以上で改善しなければ、走る距離を減らし、スピード練習を控え、タイムへのこだわりを捨てます。それでも痛い場合は、ランニングよりひざへの負担が少ないウォーキング、サイクリング、水泳などに切り替えて様子をみましょう。